最新のお知らせ イベント 2022.05.19

at Will Work 活動振り返り&運営ノウハウ共有シリーズレポートvol.4〈Work Story Award編〉

サムネイル2.png

2017年に設立した一般社団法人at Will Workは"働き方を選択できる社会"を目指しこれまでの5年間活動してきました。

at Will Workは設立当時、活動期間を5年と定め活動していたため、2022年5月をもって解散いたします。

そこで、少しでもこれから一般社団法人を立ち上げる方や、イベントを開催する方の参考になればと思い、この5年間で私たちが培ったノウハウや考え方を公開させていただくことにしました。

at Will Workの理事が座談会形式で各テーマについて語ります。

今回のテーマは〈Work Story Awardについて〉。

Work Story Awardが生まれた背景や、アワード運営のコツや工夫についてお話しします。

▼動画はこちらから

https://youtu.be/7ELNG7QXP8Q

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Work Story Award開催経緯について

藤本:働き方の図鑑を作るためにいろんな人に話してもらおうということでカンファレンスを始めたのですが、カンファレンスを開催した時にすごく面白い質問をもらったんです。「スピーカーの人はたくさんいるけども、もっと良い事例はないんでしょうか」と参加者の方に言われたんですよね。世の中には働き方に関してもたくさんアワードがある中で、なんでこんなに事例が足りないとみんなが言うのかなと思っていました。

その時にパーソルキャリアホールディングスの三石さんとお話する機会があって、働き方の事例をアワードみたいにしたらいいんじゃないかという話で盛り上がったんです。 それが最初のきっかけでしたね。

ただ他にもいろんなアワードがある中で同じことをやっても意味がないので、他ができていなくて私たちがやるべきところは何だろうと考えました。その結果ストーリーというポイントに辿り着きました。

今までのアワードの多くは、成し遂げたことなどの結果にスポットライトが当たっていたんですけど、皆さんが知りたいのは、もっと手前のきっかけや間に起きた大変だったこと、もしくは結果は出ていないけどチャレンジしていることなのではないかと思いました。それを私たちは総称してストーリーと呼び、スポットを当てることにしたんです。

アワードimage4.jpg

藤本:at Will Workのロゴを作って頂いた鈴木さんにアワードのロゴも作っていただいたんですが、これは辞典や図鑑がモチーフになっています。 最終的に一つひとつのストーリーがページとして出来上がって、自分の目当てのストーリーを読むというのをページの端を折るドッグイヤーでロゴに表現してくれました。

アワードimage1.jpg

応募や審査の工夫について

猪熊:ストーリーはプロセスを大事にしているので、成果だけで応募できるようなフォーマットにはしたくないという思いがありました。特に働き方の取り組みの中で皆さん悩まれるのが課題の発見だと思うので、背景やバックグラウンドがあった中でなぜこの課題に取り組むことになったのかということをしっかり書いてもらえるようなフォーマットにしました。そのため、成果も定量だけではなく定性の成果も書いてもらう形にしました。

また、「今こういう取り組みをしているんですがまだ成果が出てなくて...」という相談がたくさんあったため、現段階で見えている成果や次の課題の発見、今後の目標を書いていただき、今確実な成果が出ていない継続中の取り組みでも応募いただけるようにしました。

また、実際応募していただいた後には、理事みんなで全部の応募フォーマットに目を通してフィードバックを行っています。取り組みが生まれた背景をもう少し追求してくださいとか、こういう成果はなかったでしょうか、などより内容が深まるようアドバイスをしています。そのフィードバックの上、修正してもらったものを提出いただき、ようやく審査に入るという非常に丁寧なプロセスを踏んでいます。

これは他のアワードにはないことなのかなと思っていて、文章を書くのが上手い人や伝える力が強い人が通るのではなく、本質的な取り組みに焦点を当て皆さんに広く知っていただけるようにとプロセスを考えました。

アワードimage2.jpg

藤本: 結構議だしの前後で変わるストーリーもあったりしますよね。

猪熊:ありますよね。やっぱり議だしで自社の取り組みの独自性に気づいたり、自社らしさに気づいたりという所があって、議だしの後の方が圧倒的に良いストーリーが生まれています。非常に手間はかかりますし大変ですが、1年目からこのフローは崩さずずっと続けてきましたね。

三田:こういうストーリーはこういうことを書けばより良く見せられるというノウハウも溜まっていくので、議だしのレベルもどんどん上がっていっていましたね。

定性・定量を見た時にちょっと分かりにくいなとか、自分たちでまた言語化できていないなというところが第三者視点でわかるので、このプロセスを踏むことでちゃんと誰かの次につながるヒントになっているのではないかと思います。

審査について

日比谷:良い取り組みやストーリーをとにかく世の中に出していきたいということがあるので、審査は優劣を付けるべきではないものの選出する以上は責任を持って臨みたいという想いがありました。

私たちは働き方のプロではないので、多様な視点で知見のある方をゲスト審査員としてお呼びして、様々な視点から取り組みをピックアップ出来るようにしました。

後は独自の審査基準を設けて、何かあった時はこの基準に立ち戻れるようにしていました。

企業のアワードだと恣意性が高かったり、その場の勢いやトレンドに寄ってしまうこともあるんですけど、僕らの場合は5年間続けていくということもあり、パブリックな視点を持とうと気をつけていたので審査員選びからかなりこだわっていましたね。

猪熊:審査基準の実現可能性と独創性って相反することもあるんですよね。全部がバランス良いものもあるし、どちらかに偏っているけれど尖っていて社会的に意味があるものであればトータル的に見て審査を通していくという判断をしていました。これは私たちらしいやり方かなと思っています。

藤本:審査員は、それぞれバラバラの観点を持っている方5名に毎年お声かけしていました。毎年多様性というところはかなり考慮して候補を出していましたね。

アワードimage3.jpg

松林:このアワードはカンファレンスと同様にサポーター企業様がいらっしゃって、その企業様にグループ審査員となっていただいています。グループの方でも、テクノロジー領域の企業様だったり人材系のパーソルキャリアさんや不動産事業を展開しているザイマックスさんなど様々な観点の企業様に選出していただきました。それにより、偏った基準にならず非常に良かったんじゃないかなと思っています。

アワードimage6.jpg

ストーリーの発信について

日比谷:このアワードの目的が働き方に関する取り組みを世の中に広げたいというところなので、ただ表彰するだけではなく、エントリーいただいた多くの取り組みを記事化し読み物にしていました。サイトへ掲載したり、PRツールとして使っていただいたりすることで広く多くの方へ届けるという試みを行っていましたね。

我々だけだとコンテンツ化する力が弱かったので、PRTable社にお願いしてストーリー監修と制作を第一回から一緒に行ってもらいました。

すごいのが、受賞した企業だけでなく、一次審査を通過した企業のストーリーを全部作成するというところで、毎年50近くのストーリーを2〜3ヶ月で記事化していました。記事化してもらうことを目的にエントリーする企業もいたぐらいすごく好評で、これはかなりいい企画だったんじゃないかなと思っています。

アワードimage8.jpg

日比谷:ストーリープレゼンは記事化と同様に取り組みを多くの方に知ってもらおうと始めたものです。授賞式の中でだいたい3分〜5分ぐらいで自社の取り組みをミニプレゼンしていただいてました。第一回目のアワードを行った時に、参加していただいたメディアや他の受賞者から他の会社の取り組みをもっと詳しく知りたかったという声をたくさんいただいたんです。それで、第二回目の授賞式から、受賞企業には必ずプレゼンをしていただくことにしました。コロナ禍ではオンラインでの開催だったので、動画を撮ってもらい会場で流すビデオプレゼンを行いました。「自分たちの取り組みを話すの初めてなんです。立派な舞台を頂けて嬉しいです」という声をいただいた企業もありました。社内のチームの方がやってきて袖でプレゼンの様子をずっと写真撮影しているという場面もよく見かけましたね。

授賞式での制作物の工夫について

三田:コロナの前のリアル表彰式では、来た方に様々なストーリーを共有できるよう大きなパネルを作りました。 これはとても好評でして、他の企業のストーリーが知れるということもそうですし、自社のストーリーがパネルになっているということで写真を撮って社内外に共有してくださる方もいて、表彰されたということがその会社のブランドになっていく感じがありましたね。

アワードimage5.jpg

日比谷:僕は関西のとある会社に先日遊びに行ったんですけど、会社のエントランスにアワードの受賞ストーリーパネルが置いてあって、受付に来た人がみんなそれを見るようになっていたんです。「誇らしいので置かせてもらってます」と仰っていました。ちゃんと有効活用されているんだと嬉しくなりました。

三田:いいですよね。トロフィーだけだと何を表彰されたのかよく分からないので、こうやって内容ごと全部表示できるというのはすごくいいなと思いました。

ストーリーの書籍化について

松林:よりたくさんの事例を集めてそれを様々な形で広げていくための一環として受賞ストーリーの書籍制作を行いました。Web は場所を選ばず読めますが、一方で書籍はまとまって読むことができたり、年代によっては Web じゃなくて本で読んだ方が分かりやすいという方もいらっしゃいます。広い所に届けていこうということで始めました。

働き方の図鑑を作りたいということもありましたので、ストーリーを書籍やWebで読んで参考になるものを見つけていただいて更に自社の取り組みに繋げていっていただけたらいいなと思っています。

アワードimage7.jpg

松林:アワードなどの取り組みは発信やPR というところで非常に役に立つので 、開催される時があればぜひ応募してみるのもいいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

at Will Work 活動振り返り&運営ノウハウ共有シリーズvol.4〈Work Story Awardについて〉をお読みいただきありがとうございました。

こちらより各テーマの記事をご覧いただけます。

▼vol.1〈at Will Work設立&広報戦略について〉

https://www.atwill.work/information/on-demandmovie_setsuritsu/

▼vol.2〈働き方を考えるカンファレンスについて 前編〉

https://www.atwill.work/information/on-demandmovie_conference1/

▼vol.3〈働き方を考えるカンファレンスについて 後編〉

https://www.atwill.work/information/on-demandmovie_conference2/